投稿日: 2023年11月29日

【ドローン豆知識】船上からの離発着

以前、船上からの離発着はハンドリリース&ハンドキャッチが有効だと書きました。
今回は続編として、GPSにからむお話。
 

ご存じの通り、GPSが取得できた状態での離陸は、「離陸地点が登録された」ことを意味します。
 

バッテリーが少なくなったり、何らかのトラブルが起き、RTH(リターントゥホーム)で自動帰還する場合の帰還先は、この「離陸地点」です。
陸上であれば何ら問題ないのですが、船は常に動いてます。仮にアンカーを使ったとしても風向きで数メートルは動きます。まして航走すれば元の場所に正確に戻ることはまず無理。一方、機体は(船がどこにあろうとも)正確に「離陸地点」に戻ってきます。船の上ではなく、離陸場所の緯度経度を覚えている(だけだ)からです。
 

この話、冷静に考えれば当たり前のことなのですが、これを勘違いしていたり、ど忘れたりして、自分の居場所近くに戻ってくると思ってる人が多い。
バッテリーが残り少なくなりRTH(リターントゥホーム)が働き、(船がどこにあろうと)機体は「離陸地点」に最短距離で向かいます。
 

言い方はよくないですが、
見えなくなって紛失するよりも、
近くに見えてる状態で機体が着水(し、そのまま海底へ)、、、は絶望的にシュールです。

着水直前の機体をキャッチしたくて水の中に飛び込むガイジンさんの動画サイトでは結構ありますね。
そうしたくなる気持ちはよくわかります。。。
*産廃物でもあるので、機体回収も使用者責任となります。


さらに付け足すと、
風があると機体は安定しないし、船は常に動いてるし、狭い船上で自分はほとんど身動きできないし、
その状況下で、機体の障害物検知センサーが必要以上に働いてしまい、機体が目の前にあるのにハンドキャッチしようと手を伸ばすと機体が逃げてキャッチできないことが何度も起こります。
 

機体は逃げる、船は動く、自分は身動きできず、悶々・・・

陸上での着陸では全く気にならない程度の風でも足元が不安定な船上では焦ります、焦りまくります。
筆者の経験ですが、目の前にある機体と10分以上格闘したことも。
 

船上で一番難しいのは「着陸時」
着陸に問題ないか、バッテリー残量が十分なうちに早めの帰還を、など飛ばす前にしっかり計画を・・
いざとなれば機体を浜まで飛ばして安全な陸地に着陸させて着岸後に回収、というPLANーBも頭に片隅に。


*写真は国家資格取得に向けて猛特訓中の弊社スタッフ!